大林組 国内建設業界のDXを大躍進させよ!Rescaleプラットフォームを活用したコンピュテーショナルデザインによって統合設計環境を実現へ
総合設計を実現するためのHPC プラットフォーム
上田氏が所属するのは技術研究所内の都市環境技術研究部で、大林組
における環境関連シミュレーションの実務やその先端研究を担う部門
だ。これまでの同社では、CAE によるシミュレーションは、設計があ
る程度進んだタイミングで実施されており、実際の建設物などで実験
を行って検証することも多かった。そのため、建設が始まった後に問
題や課題が発生して手戻りになり、それがコストや時間の負荷となっ
ていた。近年、外観デザインは複雑になり、かつ環境配慮対応へのプレッ
シャーも強まる中で、設計現場にのしかかる負荷を大幅軽減して効率
化を図ることが求められた。
上田氏は他業界などの動向を調べる中で、グラフィカルアルゴリズム
エディターやハイエンドCAD、BIM といった先端のIT ツールが、単に
3D の形状を定義しているだけではなく、そこに仕様や部材の機能も紐
づけて、さまざまな作業を自動化していることに着目した。
自社の建築設計において、形状も仕様もシミュレーションも同時に扱
いながら、かつ設計を自動で進められるインターフェースの構築が必
要だと考えたという。「従来、建築、構造、環境など個別の部署の縦割
り体制で行ってきた業務を、デジタルなプラットフォームの上で横連
携しながら、一体となって効率よくプロジェクトを進められるように
したいと考えた」と上田氏は述べる。