基本ジョブの実行
この例では、Rescaleプラットフォーム上で基本ジョブを実行する方法を示します。使用するソフトウェアは、オープンソースの数値流体力学 (CFD) ソフトウェアのOpenFOAMです。ご不明な点がございましたらこちらまでご連絡ください。

このシミュレーションについて
この例では、OpenFOAMのsimpleFOAMソルバーを使用しています。これは非圧縮性乱流のための定常状態ソルバーであり、過渡現象解析のための適切な初期条件を見つけるために用いられます。この翼の周囲の定常流に関する2Dサンプルモデルは、OpenFOAMのコードレポジトリのチュートリアルから直接入手したものです。以下のImport Job Setupボタンをクリックすると、必要な入力ファイルにアクセスしてダウンロードすることができます。
サインアップとログイン
Rescaleのアカウントにサインアップしていない場合、アカウント登録が必要になります。フリートライアルにサインアップすると、(20分以内に)確認メールが届き、その中にプラットフォームサイトへのリンクが示されています。プラットフォームサイトにログインすると、ウェルカム画面が表示されます。

新しいジョブを作成するには、画面左上にある + New Job をクリックします。

必要な入力ファイルは、圧縮されたアーカイブ airfoil2D.zip
に含まれています。
入力ファイル
基本ジョブを実行するには、下の赤色で強調表示されたフィールドが正しく設定されている必要があります。以下を行います。
- ジョブ名を任意の名前に編集します。ここでは、Basic Job: Airfoil2D とします。
- このジョブ実行に必要なファイル
airfoil2D.zip
をアップロードします。 - Job Type が Basic であることを確認します。

入力ファイルを圧縮アーカイブ/ファイルとしてアップロードすることで、ジョブの実行で必要な入力ファイル全てを一括してアップロードすることができます。これによる利点は以下の通りです。
- ストレージの必要性の低下
- アップロードの高速化
圧縮ファイル
圧縮アーカイブ/ファイルがジョブの入力ファイルとして含まれている場合、クラスタが立ち上がると、ジョブが実行される前に、圧縮ファイル内のすべてのファイルがジョブの作業ディレクトリに自動的に解凍されます。圧縮されたアーカイブから展開されたファイルを参照する場合、ファイルへの相対パスに注意してください。圧縮ファイル自体は保存され、次回以降のジョブの入力として使用することができます。対応している圧縮形式は以下の通りです。
- .zip
- .tar, .tar.gz, .tgz, .gz
完了すると、入力ファイルの設定画面が以下のように表示されます。次の設定に進むためには、ページ右下のNext のボタン、または Software アイコンをクリックします。

ソフトウェアの設定
テキストボックスに「OpenFOAM」と入力(大文字と小文字の区別はありません)し、赤色で強調されているOpenFOAMのアイコンをクリックすることで、OpenFOAMを選択します。

次に、選択したソフトウェアのバージョンを設定し、コマンドのテキストフィールドにシミュレーションの実行に必要なコマンドラインを記述します。
OpenFOAM のバージョンとして v1706+ (Intel MPI) を選択し、コマンドフィールドを以下のように編集します。
cd airfoil2D ./Allrun
Rescaleのプラットフォームでは、シミュレーションを開始する前に、圧縮アーカイブ airfoil2D.zip
に含まれる Allrun
スクリプトとその他のランタイムファイルを自動的に抽出します。 以下のスクリーンショットは、変更した項目が赤く強調表示されており、この設定が完了するとソフトウェアの設定のベージがどのように表示されるかを示しています。

ハードウェアの設定
基本ジョブの場合、ハードウェアの設定項目として「コア数」と「コアタイプ」があります。
- 今回の例では、コア数を1、コアタイプを Emerald と指定します。Rescaleでは、コアタイプのオプションとして、On-Demand PriorityとOn-Demand Economy がお選びいただけます。詳細についてはこちらをご覧ください。
- Walltimeを変更することにより、最大ジョブ実行時間を設定することができます。なお、現在、1つのジョブで設定できる最大ジョブ実行時間には上限があります。詳細についてはこちらをご覧ください。
- Save ボタンをクリックし、その後 Next ボタンをクリックします。(このシンプルな基本ジョブの例ではポスト処理のステップは省略します。さらに Next ボタンをクリックしてください。)

概要

Reviewのステップでは、ジョブを投入する前のまとめが表示されます。問題がなければ、Submit ボタンをクリックして、ジョブを開始します。
ステータス
ステータス のページでは、ジョブ投入後の解析状況をモニタリングすることができます。ページの右側に赤色で強調表示されているジョブワークフローのアイコンで、ジョブのセットアップ、ステータス、結果、そして、グラフの各ページ間を移動することができます。

また、ステータス ページでは出力ファイルの内容をリアルタイムに確認することができます。これは、ファイルのライブテーリングとして知られています。これは、ジョブの進捗状況をモニタリングするのにとても有効です。今回の場合、特に、以下の2つの出力ファイルに注目します。
process_output.log
airfoil2D/log.simpleFoam
process_output.log
ファイルは、各ジョブで生成され、コマンド実行時の全ての端末出力(Linuxにおけるstdout)が含まれます。log.simpleFoam
はOpenFOAMでの計算により生成されるファイルでシミュレーションの進捗に関する情報が含まれます。
ファイルをライブテーリングで表示するには、表示したいファイル名をクリックします。例えば、赤色で強調表示されている airfoil2D/log.simpleFoam
をクリックします。このジョブの実行には数分しかかかりません。
結果
ジョブが完了すると、以下のような結果のページが表示されます。

このページからいくつかのことが可能です。
- すべてのファイルは、赤色で強調表示されている Download ボタンからダウンロードできます。
- チェックボックスで選択された複数のファイルに対して、赤色で強調表示されている Actions メニューを使用してアクションを実行することができます。することができます。
- アクションボタンでは、ファイルの表示、ダウンロード、削除、個々のファイルを将来のジョブの入力ファイルとして扱えるようにするための設定、などを行うことができる。
Rescale のプラットフォームでのファイルの操作方法とダウンロードについての詳細は、データのダウンロードの記事をご覧ください。